人にはそれぞれの能力や人間関係が、また居場所がある。
全ての人間が優れた才能に恵まれているわけではないし、恵まれた環境を持っているわけでもない。
大勢の人のウケを狙える作者や演出家もいれば、少数の人にしか受け入れてもらえない作者や演出家もいる。
芝居を専門職に持っている人もいれば、食うための職とは別に、満たされない思いに駆られて芝居をしている人間もいる。
誰もが自分の居場所や違った能力(またその限界)を持っており、それは他人と取り替えることが出来ない。いうなればそれは運命だ。できることは、自分の置かれた環境や人間関係、また持っている能力をもとに、「いま・できること」を積み上げる、ということだけだ。妄想でいくら高望みをしても、何もしなければゼロだ。それは無益だ。「自分が、いま、できること」を恥じることなく認め、たとえどんなにちっぽけな事に見えようとも実践するー別に大げさなことなどではない。それが「生きる」、ということなんだと思う。
私にも現在、幸運にも芝居につなぎ止めてくれているヒト達が何人かいる。泣いても笑っても、それが今の私の「居場所」なのだろう。たとえ多くの人に認知されない地味な活動だとしても、「いま、できること」を自分に嘘をつくことなく、積み重ねていくことを大切に思いたい。
コメントをお書きください