今日は演出する人がみな我慢して言わずにいることを代弁してみます。
すなわち「ダメ出し」についてー
ダメ出しというのは役者にとって「うるさくて嫌なもの」でしょう。
実際、ダメ出しされると露骨にイヤな顔する人がいます。態度にあらわしたり(ほら、そこにもここにも、ね《笑》)。
しかし、役者は覚えておいた方がいいでしょう。
「ダメ出しされる内が華」だということ。
演出家サイドから言わせてもらうと、演出する側というのは「自分の理想」と「役者の力量」というのを常にハカリにかけています。「自分の理想」通りにいかないのはわかりきっているので、「こいつはどこまでできるのかな」という妥協点を探しているのです。
そして、「こいつはここまでしかできない」と判断すれば、そこから先はもうダメ出ししません。「聞く耳もたぬ役者」に対しても同じです。
つまり、「ダメ出しされない」=「その役者が素晴らしい」ということではない、ということ。
役者は覚えておいた方がいいでしょう。
ダメ出しされない、ということは、実は、「深い所で見限られている」という可能性が大いにある、ということ。
ダメ出しされないことは、実は、一番コワイことかも知れないんだよ、ということ。
いずれにしても、役者というのはイイ気にならないことが大切だと思います。
こういうことって、なかなか言えないのです。
今日は演出家のみなさんを代弁してみました。
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